海外FXで利益が出たものの「税金が高すぎない?」「申告方法がわからない」と不安に感じていませんか。
結論として、海外FXの税金は正しい知識を持てば、過度に恐れる必要はありません。
海外FXの利用が、有利に働くケースもあります。

しかし、国内FXとは税金の仕組みが異なり、注意点や節税対策を知らないと損をするかもしれません。
そこで本記事では、海外FXの税金に関する仕組みから確定申告の方法、具体的な節税対策までを網羅的に解説します。
海外FXの税金で損をしたくない方は、ぜひ最後までお読みください。
なお、今すぐ海外FXを始めたい方は「海外FXおすすめ業者ランキング!利用者の評判から人気口座を徹底比較」で紹介している業者を利用してみてください。
海外FXの税金における疑問
海外FXの税金を高く感じている方は「申告しなくてもバレないのでは?」と疑問を持つ方も多いでしょう。
ここでは、海外FXの利益が税務署に把握される仕組みや、無申告のリスクを解説します。
海外FXの利益がバレる理由
海外FXの利益を申告しなければ、税務署にバレる可能性は高いです。
税務署は私たちが想像する以上に強力な権限と情報網を持っているため、海外業者を利用していれば資金の流れは把握されやすいです。
例えばバレる理由のひとつに、国外送金等調書の存在が挙げられます。
100万円を超える資産が動いた場合は、金融機関から税務署へ国外送金等調書の提出が義務付けられています。
安易な気持ちで無申告を選択すると、ペナルティを受ける可能性があるため、利益が出たら必ず確定申告を行いましょう。
税金を払わなかった場合のリスク
海外FXの利益を申告しなかった場合、本来納めるべき税金に加えて重いペナルティが科されるリスクがあります。
ペナルティの税率は、以下の通りです。
ペナルティ | 基本的な税率 | 悪質なケース |
---|---|---|
無申告加算税 | 15% ※50万〜300万円の部分は20% 300万円を超える部分は25% | 40% |
重加算税 | 35〜40% | 45〜50% ※同じ税目で5年以内に前科がある場合は上記の税率が適用される |
延滞税 | 2.4〜14.6% | – |
悪質と判断された場合、最大で50%もの重加算税が課され、最悪のケースでは、刑事罰に発展する可能性があります。



また、青色申告の承認が取り消されたり、各種控除が減額されたりするデメリットも生じます。
余計な税金を支払わないように、ルールを守ってしっかり申告しましょう。
海外FXと国内FXの税金制度の違いを比較
海外FXと国内FXは、利益にかかる税金の仕組みが異なります。
ここでは、以下の税金制度の違いを解説します。
課税方式
海外FXは総合課税、国内FXは申告分離課税の異なる方法で税金を計算します。
課税方式を含めた違いは以下の通りです。
項目 | 海外FX | 国内FX |
---|---|---|
課税方式 | 総合課税 | 申告分離課税 |
所得税 | 5〜45% | 15.315% |
住民税 | 10% | 5% |
損失繰越 | × | 〇 |
損益通算 | 〇 | 〇 |
海外FXは利益によって所得税率が異なりますが、国内FXの税率は利益額に関わらず、一律15.315%です。
累進課税の税率は、以下の表を参考にしてください。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000〜1,949,000円 | 5% | 0円 |
1,950,000〜3,299,000円 | 10% | 97,500円 |
3,300,000〜6,949,000円 | 20% | 427,500円 |
6,950,000〜8,999,000円 | 23% | 636,000円 |
9,000,000〜17,999,000円 | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000〜39,999,000円 | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
上記の通り、海外FXは利益が増えるにつれて税率も段階的に引き上げられます。



所得が低い場合は海外FXが有利ですが、高所得になると国内FXの方が税負担は軽いです。
自身の所得水準に応じて、海外FXと国内FXを柔軟に使い分けるのがおすすめです。
海外FXの税金が有利になるケース
海外FXの税金は国内FXよりも高いと思われる方もいるかもしれませんが、所得金額によって異なります。
所得ごとの税額比較は、以下の通りです。
所得 | 海外FXの税額 | 国内FXの税額 |
---|---|---|
150万円 | 226,575円 | 304,725円 |
200万円 | 304,652円 | 406,300円 |
500万円 | 1,084,522円 | 1,015,750 |
800万円 | 2,029,284円 | 1,625,200円 |
1,000万円 | 2,801,044円 | 2,031,500円 |
所得200万円の段階では、海外FXの方が10万円以上安く済みます。



しかし、所得が500万円になると国内FXの方が有利になり、所得が増えるほどその差は開きます。
利益が増えるにつれて海外FXの税率は最大55%まで上がるため、高所得者にとっては、国内FXの税率が有利です。
税金の計算方法
海外FXと国内FXの税金は、具体的な計算式に当てはめて算出できます。
利益が500万円の場合、それぞれの税額計算は以下の通りです。
区分 | 所得税計算式 | 復興税計算式 | 住民税計算式 | 合計 |
---|---|---|---|---|
海外FX | 500万円×20%−427,500=572,500円 | 572,500×2.1%=12,022円 | 500万円×10%=500,000円 | 108万4,522円 |
国内FX | 500万円×15%=750,000円 | 750,000×2.1%=15,750円 | 500万円×5%=250,000円 | 101万5,750円 |
所得税と住民税に加えて、所得税額の2.1%にあたる復興特別所得税も納める必要がある点は、覚えておきましょう。



なお、国内FXの税額は利益に一律20.315%をかけるだけで簡単に計算できますが、海外FXの場合は所得に応じた計算が必要です。
確定申告の際は、上記の計算式を参考に、正確な数値を報告してください。
海外FXで課税対象となるケース
海外FXで利益が出ても、すべての人が確定申告の対象になるわけではありません。
ここでは、以下の課税対象となるケースを解説します。
年間利益20万円以上の給与所得者
以下の給与所得者は、海外FXによる年間の利益が20万円を超えた場合に確定申告が必要です。
- 会社員
- 公務員
- アルバイト・パート
利益は取引で得た儲けから、必要経費を差し引いた後の金額を指します。
取引に必要な書籍代やセミナー費用などは、経費として計上できます。
なお、確定申告を行えば税務署から自治体へ情報が連携されるため、別途住民税の申告は不要です。
年間20万円を超える利益がある方は、経費を含めて正しく申告し、安心して取引を続けられるようにしましょう。
年間利益48万円以上の非給与所得者
給与所得がない方は、海外FXの利益を含む年間所得が48万円を超えた場合に確定申告が必要です。
主な非給与所得者は以下の通りです。
- 個人事業主・フリーランス
- 専業主婦
- 学生
- 無職の方
上記の方は、利益が年間48万円を超えると確定申告が必要ですが、その基準額は所得金額に応じて変わります。
以下は、所得金額に応じた基礎控除額です。
納税者の所得金額 | 基礎控除額 |
---|---|
2,400万円以下 | 48万円 |
2,400〜2,450万円以下 | 32万円 |
2,450〜2,500万円以下 | 16万円 |
2,500万円以上 | 0円 |
年間の合計所得が2,400万円以下であれば48万円の控除が適用されますが、2,500万円を超えると控除額は0円です。



2,500万円以上の所得がある方は、少額でも利益が出ていれば必ず確定申告が必要になります。
自身の所得状況を確認し、申告漏れのないよう適切に対処してください。
海外FXの税金における注意点
海外FXで取引を行う際は、国内FXとは異なる注意点があります。
ここでは、海外FXの税金における以下の注意点を解説します。
住民税の申告は年間利益20万円以下でも必要
海外FXで利益が出た場合、年間利益20万円以下なら確定申告は不要ですが、住民税の申告は別途必要です。
確定申告をしない方でも、利益が出ている場合は、居住地の市区町村で住民税の申告を行いましょう。



年間利益20万円以下の方は、住民税の申告漏れがないよう注意が必要です。
少額でも利益が出た場合は、住民税の申告は必要だと覚えておいてください。
国内FXとの損益通算はできない
海外FXと国内FXの損益は通算できません。
損益通算できない理由は、海外FXは雑所得の総合課税、国内FXは申告分離課税で異なる所得区分に分類されるためです。



国内で利益が出て、海外で損失が出ても、それぞれの所得を合算して税金を計算することは認められていません。
それぞれ独立した税制に区分されるため、投資戦略を立てる際は注意してください。
損失の繰越控除は認められない
国内FXでは、損失が出た場合に3年間繰り越して、翌年以降の利益と相殺できる繰越控除が認められています。
一方で、海外FXの利益は雑所得として扱われるため、損失繰越控除は対象外です。



例えば、海外FXで今年100万円の損失があっても、翌年の利益と相殺はできません。
そのため、海外FXでは含み益や損失をどのタイミングで確定させるかを、慎重に考える必要があります。
海外FXは、損失のリスクヘッジが限定的である点を理解して取引するのが大切です。
海外FXで実践できる節税対策
海外FXで得た利益にかかる税金は、工夫次第で負担の軽減が可能です。
ここでは、海外FXで実践できる以下の節税対策を解説します。
経費として認められる費用を計上する
取引にかかった費用を漏れなく経費に含めるのが、税金を抑える基本的な方法です。
利益から経費を差し引けば、課税対象となる所得金額を減らし、結果的に納税額を抑えられます。
経費として認められる費用の例は、以下の通りです。
- パソコンやモニターなどの機器代
- インターネット回線費用
- FX関連の書籍・雑誌代
- セミナー・勉強会の参加費
ただし、プライベートでも使用するものは按分が必要です。



例えば、パソコンを仕事で使う場合は、全額を経費に計上できるわけではありません
経費として認められるには、合理的な理由が必要なため、領収書の保管と記録を徹底しましょう。
他の雑所得と損益通算する
海外FXで得た利益は、他の雑所得で発生した損失と損益通算ができます。
損益通算は、同じ所得区分内で利益と損失を合算すれば、課税対象となる所得を減らせる仕組みです。
ただし、給与所得や事業所得など、区分の違う所得とは損益通算できないため、制度の正しい理解が欠かせません。
また、雑所得同士での扱いは判断が難しい場合もあるため、不明点は事前に税務署へ相談しておくのがおすすめです。
所得控除を利用する
各種所得控除を活用すれば、有効な節税対策ができます。
所得控除とは、納税者の個人的な事情を考慮して、所得から一定額を差し引ける制度です。
利用できる主な所得控除は、以下の通りです。
- 基礎控除
- 医療費控除
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 寄附金控除
上記以外にも所得控除は複数あるため、利用できそうな控除は活用しましょう。
確定申告をする際は、自分に適用される控除がないか、確認してみるのがおすすめです。
法人化を検討する
海外FXの利益が継続して大きくなる場合は、法人化を検討するのも有効です。
個人に課される所得税の税率は最大55%ですが、法人に課される税率は原則23.2%のため、税負担を軽減できる可能性があります。
法人化の主なメリットは、以下の通りです。
- 税負担を軽減できる
- 損失を最大10年間繰り越せる
- 含み損を計上できる
法人化すれば複数の恩恵が受けられるため、税額が大きい方は検討する価値があるでしょう。



ただし、法人化は設立費用や維持コストがかかり、会計処理も複雑なため、利益が不安定な方や、事務作業が苦手な方には向いていません。
法人化は大きなメリットがある一方でデメリットも存在するため、慎重に検討するのが大切です。
関連:海外FXの法人口座おすすめ比較ランキング!法人化のメリットやデメリット・税金の違いも解説
海外FXの税金を確定申告する手順
海外FXで得た利益が20万円を超えた場合は、必ず確定申告が必要です。
ここでは、スマホを使った確定申告の具体的な手順を解説します。
①必要書類の準備
確定申告を行う前に、複数の書類を揃える必要があります。
必要書類は以下の通りです。
- 1年分の取引記録
- 経費支払いの記録
- 各種控除用の証明書類
- 源泉徴収票(給与所得者)
- マイナンバーカード
1年分の取引記録のダウンロードは、利用しているシステムから行います。
MT4/MT5でダウンロードする場合は、以下の手順で行います。
- MT4/MT5にログイン
- ツールボックス内の「口座履歴」を選択
- 右クリックして「期間指定」を選択
- 申告年度の取引期間を選択
- 右クリックして「レポート」を選択
- 「Open XML」か「HTML」の保存形式を選択
上記の手順を踏めば、取引記録のダウンロードは完了です。
取引期間と保存形式は、以下のように表示されます。


上記の書類を揃えてから、確定申告に進んでください。
なお、取引記録は万が一税務署から問い合わせがあった場合に備えて、大切に保管しておきましょう。
②基本事項を選択
国税庁の確定申告書等作成コーナーにアクセスして「作成開始」を選択します。


作成のステップが出てくるため、画面に沿って進めます。


作成する申告書等は「所得税」を選択してください。


作成する年度を選択します。


③マイナンバーカードの連携
マイナンバーカードの所有状況と、読み取り対応の項目に回答します。
マイナンバーカードの期限が切れている場合は、更新をしてください。


マイナポータルと連携するか選択します。


ここからは、マイナポータルと連携するパターンで解説します。
マイナポータルアプリがない方はダウンロードし、所有している方はそのまま手続きを進めてください。


マイナンバーカードの暗証番号を入力します。


暗証番号の入力が完了すれば、マイナンバーカードの読み取りを行います。


読み取りができれば、認証完了画面が表示されるため、そのまま手続きを進めましょう。


④詳細データの入力
確定申告が初めての方は、氏名や生年月日など申告書に必要な情報を入力します。
過去にe-Taxで申請した経験のある方は、情報が正しいか確認しましょう。


各種控除がある方は、データを提出してください。
税額を決めるうえで、控除の申請は大切です。


「雑(業務・その他)」を選択します。
海外FXは雑所得に該当するため、先物取引を選択しないよう注意が必要です。


続いて「雑所得(業務)・雑所得(その他)」の画面を選択します。


種目は「その他」を選択し、種目(その他)に「海外FX」と入力しましょう。
業務は「該当しない」を選択し、合わせて収入金額や必要経費などを入力します。


入力が完了すれば、画面の指示に沿って手続きを進めます。


雑所得(その他)に「入力あり」と表示されていれば完了です。


続いて寄付控除の入力画面が出てきますが、控除に該当する方は手続きしておいてください。


ここまで手続きができれば、納税額が表示されます。
詳細も表示されるため、確認して手続きを進めてください。


続いて納付方法と通知方法を選択します。
納付方法は、電子交付と書面交付の2種類から選択可能です。


最後に財産債務調書と住民税等に関する事項を確認し、必要であればチェックを入れてください。


⑤入力内容の確認
ここまでの手続きが完了すれば、入力したデータの確認を行います。
まずはマイナンバーを入力します。


申告書等を表示して、内容が正しいかチェックしてください。


伝えておきたい内容があれば、特記事項に入力します。


最後にデータの送信をして完了です。


確定申告で不明点があれば、税務署へ相談しましょう。
確定申告の時期は混雑が予想されるため、不明点は早めに相談して解決しておくのがおすすめです。
海外FXの税金でよくある質問
ここでは、海外FXの税金に関する以下のよくある質問に回答します。
海外FXで1,000万円稼いだ時の税金はいくら?
1,000万稼いだ時の税金は、以下の通りです。
区分 | 金額 |
---|---|
海外FX | 2,801,044円 |
国内FX | 2,031,500円 |
上記の金額は経費を考慮していないため、税額が変わる可能性があります。
また、各種控除を利用すれば税額を下げられます。
海外FXの税金が高すぎる場合の対処法は?
税金が高すぎると感じた場合は、経費や所得控除に漏れがないか確認しましょう。
漏れなく計上してもなお税負担が重い場合、法人化も有効な選択肢です。
法人化すれば個人の所得税より低い税率が適用され、節税につながる可能性があります。
海外FXの税金は二重課税される?
海外FXの利益が、海外と日本で二重に課税されることはありません。
国内居住者である限り、海外で得た所得も日本の税法に従って申告・納税すれば大丈夫です。
海外FXの利益が会社にバレない方法は?
会社に知られずに確定申告をしたい場合、住民税の納付方法を「普通徴収」に選択してください。
ただし、手続きのミスで会社に通知がいく可能性もあるため、普通徴収が選択されているか確認しておくのがおすすめです。
海外FXのスワップポイントに税金はかかる?
スワップポイントは、ポジションを決済して利益が確定した時点で課税対象となります。
ただし、口座にスワップポイントが貯まっていても、ポジションを決済して利益が確定するまでは課税されません。
海外FXの出金拒否時でも税金は発生する?
出金拒否があっても、取引で利益が確定していれば税金は発生します。
ただし、税務署や専門家へ相談すれば解決策が見つかるかもしれないため、事前に確認してみるのがおすすめです。
出金しなければ税金はかからない?
利益を出金せずに海外FX業者の口座に置いたままでも、税金はかかります。
課税のタイミングは、ポジションを決済して利益が確定した時点です。
納税額を少しでも減らしたい場合、決済を遅らせるのもひとつの手法です。
海外FXで複数口座の損益通算はできる?
複数口座間での損益通算は可能です。
異なる業者の口座間でも、すべて雑所得として合算して申告できます。
年間の取引履歴をすべて集計し、正確な損益を計算してください。
まとめ
本記事では、海外FXにかかる税金の仕組み、確定申告の流れ、具体的な節税対策までを解説しました。
海外FXの税金の仕組みは複雑に感じられるかもしれませんが、正しい知識があれば安心して取引に集中できます。
また、適切な節税対策を行えば税負担を軽減できるため、利益を効率よく活用できます。
ただし、申告を怠ると重いペナルティが科される可能性があるため、手続きを漏らさないよう注意してください。
海外FXを楽しみたい方は、税金対策を万全に行い、長期的に安定した取引を目指しましょう。
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