- 海外仮想通貨取引所は出金できない?
- 海外取引所からの出金方法を知りたい
本記事を訪れた方は、上記のような疑問や悩みをお持ちではないでしょうか?
結論から書くと、海外取引所からの出金は当然可能で、出金方法は「国内取引所を経由する」というやり方です。
やり方自体は簡単ですが、事前に国内取引所での口座開設と本人確認を済ませておく必要があります。
また、出金できない原因は複数ありますが、それぞれの対処法を知っていれば大きな問題はありません。
本記事では海外取引所からの出金方法や、出金できない原因と対処法、出金に関する税金のルールなどを解説します。
「出金をしやすい取引所、おすすめの取引所を知りたい」という場合は「海外仮想通貨取引所ランキングおすすめ比較10選」の記事を参考にしてみてください。

海外仮想通貨取引所は出金できない?

海外取引所からの出金はできないのかどうか、ポイントをまとめると以下の通りです。
- 日本の銀行口座への出金はできない
- クレジットカードは入金はできるが出金はできない
- P2P取引(個人間取引)で売る方法もある
それぞれのポイントについて解説していきます。
日本の銀行口座への出金はできない
海外取引所から日本の銀行口座への出金はできません。
海外取引所で日本の金融庁の認可を受けているところはないため、銀行も入出金での提携が一切不可となっています。
後述するP2P取引を使う方法もありますが、あくまで「自分の仮想通貨を他のユーザーに売る」「その代金を振り込んでもらう」という方法です。

事実上の出金とも言えますが、正確には「仮想通貨の売却」となります。
銀行口座に出金をしたい場合は「国内取引所に送金する⇒国内取引所から振り込む」という方法を取ります。
クレジットカードは入金はできるが出金はできない
海外取引所の多くは、日本のクレジットカードによって日本円を入金できます。



しかし、クレジットカードに出金機能はないため、出金はできません。
クレジットカードでの入金方法については「海外取引所の仮想通貨をクレジットカードで購入する方法!使えるクレカも一覧で紹介」の記事で詳しく解説しています。
P2P取引(個人間取引)で売る方法もある
大手の海外取引所ではP2P取引(個人間取引)の利用も可能です。
P2P取引では前述の通り、他のユーザーに対して自分の仮想通貨を売ります。
売った代金は以下のような方法で振り込んでもらえます。
- 銀行振込(日本の銀行)
- LINE Pay(ラインペイ)
- PayPay(ペイペイ)
- auペイ
- 楽天ペイなど
方法は自分で指定でき、出品時に対応可能な方法を一覧にしておきます。
P2P取引は「通常の方法で仮想通貨を入金できない人、より簡単に入金したい人」が使う方法です。



そのため、本来より高めの相場で仮想通貨を売ることができ、買い手にとっては不利でも、売り手にとっては有利な取引です。
厳密には「出金」でなく「売却」ですが、日本円に換金できれば良いという場合、P2P取引も一つの選択肢といえます。
海外仮想通貨取引所から出金する方法・手順


海外取引所から出金する方法・手順は以下の通りです。
- 国内取引所でアドレスを取得
- 海外取引所からアドレス宛に送金
- 国内取引所で送付人(自分)の情報を提出
- 国内取引所で仮想通貨を日本円に交換
- 日本円を銀行口座に振り込む
①:国内取引所でアドレスを取得


まず、国内取引所のアプリで、海外取引所から出金したい仮想通貨を選びます。
今回は例としてSOL(ソラナ)を選びます。


その国内取引所に、その仮想通貨を入金するためのアドレスとQRコードが表示されます。
このアドレスをコピーするか、QRコードを保存します。
最初はアドレスの方がわかりやすいので、アドレスがおすすめです。
②:海外取引所からアドレス宛に送金


海外取引所で、同じ仮想通貨を選んで出金画面を出します。
出金画面では、先ほどコピーしたアドレスを貼り付けます。
そして、同じネットワーク(ブロックチェーン)を選択し、出金したい金額を入力してください。
ネットワークについては、SOLの場合は1種類しかありませんが、複数ある仮想通貨の場合は、間違えないように注意が必要です。


「出金依頼を提出」などの画面が出て、出金の申請が完了します。
あくまで申請の完了であり、まだ出金が完了したわけではありません。


履歴を見るとしばらくの間、上のように「審査中」という文字が表示されます。
③:国内取引所で送付人(自分)の情報を提出
2023年6月に「トラベルルール」が施行されてから、国内取引所での仮想通貨の受け取りには「送った人の情報」の提出が義務となりました。
そのため、国内取引所の方で「情報提出」の作業も必要です。


入出金履歴の画面を開くと、先ほど送金したSOLが反映されています。
ここに「情報提出」などのボタンがあるので、それを押してください。
(ボタン名は取引所によって異なる可能性があります)


自分で自分に送金しているので、送付人の欄で「お客様本人」を選びます。
(項目名は取引所によって異なることがあります)
選択したら、自分の登録情報が自動で入力されます。


取引所については「海外取引所」を選び、取引所の名前は一覧から選びます。
一覧には、その取引所が入金を受け付けている海外取引所だけが並んでいるので、多くて迷うことはありません。
④:国内取引所で仮想通貨を日本円に交換


まず、現金化する仮想通貨を選びます。
仮想通貨を選ぶとチャートとともに「売る・買う」などのボタンが表示されているので「売る」を選んでください。


上のような画面が出るので、現金化する金額を入力します。
仮想通貨の数量でも、日本円の金額でも指定できます。


「約定しました」などの画面が出て、現金化が完了します。
⑤:日本円を銀行口座に振り込む


現金化が完了したら、その日本円を銀行口座に振り込みます。
まず「資産」などの画面で「出金」のボタンを押して下さい。


最初はどの取引所でも銀行口座の情報の登録が必要です。
登録するのは「銀行名・支店名・口座番号」です。
名義人は必ず同一でなければいけないので、口座名義の入力は要りません。


登録が完了したら、その銀行口座を選択します。


出金したい金額を入力して、確定します。


「出金を受け付けました」など、受付完了の画面が出ます。


出金の明細を見ると、上のように「承認待ち」や「審査待ち」などのステータスが表示されています。
この審査が完了して銀行口座に反映されるのを待ちます。
海外仮想通貨取引所から出金できない原因と対処法


海外取引所から出金できない原因は、主に以下の通りです。
- アドレスを間違えた(基本的に戻ってこない)
- 出金手数料(ガス代)が不足している
- 本人確認(KYC)や2段階認証の設定をしていない
- ネットワーク(ブロックチェーン)が混雑している
- 取引所でエラーが起きている(要問い合わせ)
それぞれの原因の詳細と対処法を解説していきます。
アドレスを間違えた(基本的に戻ってこない)
送金先のアドレスを間違えた場合、その仮想通貨は赤の他人に届いてしまいます。
仮想通貨のアドレスで連絡を取ることは、基本的にできません(一部の新しいブロックチェーンはできる可能性があります)。
良心的な相手であればあなたのアドレスに返却してくれる可能性もありますが、期待はしない方が良いでしょう。



間違えた後の対処法はなく、間違える前の対処法としては「アドレスのコピペではなくQRコードを使う」方法が挙げられます。
コピペはミスが起こり得ますが、QRコードの場合はミスがほぼありません。
QRコードでの送金をまだしたことがない人は、一度試してみましょう。
出金手数料(ガス代)が不足している
出金手数料(ガス代)が不足している場合は、送金が最初からできません。
この場合は「ガス代が不足しています」という旨のメッセージが表示されるため、すぐに気づくでしょう。



ガス代は送る仮想通貨から差し引くため、ガス代の分も考慮した金額を送金することが必要です。
同じ仮想通貨の同じ金額でも、使用するブロックチェーンが違えばガス代も変わるため、別のチェーンならガス代が足りる可能性があります。
対処法はただ残高を追加するだけで、口座間の資金移動や入金によって解決します。
本人確認(KYC)や2段階認証の設定をしていない
取引所によっては、本人確認(KYC)を完了していない場合や二段階認証の設定をしていない場合は、送金をできません。
上記のルールは大手でも異なり、例えばBybitでは本人確認が必須ですが、MEXCでは不要です。
海外取引所の本人確認は非常にシンプルで、運転免許証などの身分証を撮影して送信し、数秒の自撮り(セルフィー)を撮影するだけで完了します。



Bybitの場合は本人確認レベル1が、セルフィーの送信から5秒程度で完了しました。
非常に簡単なので、本人確認が必須だったとしても、複雑に考える必要はありません。
ネットワーク(ブロックチェーン)が混雑している
送金に使うネットワーク(ブロックチェーン)が混雑している場合は、処理に時間がかかります。
時間がかかっている場合は、送金の「手続」については完了の画面が表示されます。
しかし、そこから先「着金」の完了画面がなかなか表示されません。



一度送金してしまったら対処法はなく、反映を待つのみです。
送金前の対策としては、ブロックチェーンを選ぶ画面で予想時間が表示されるため、時間の短いチェーンを選ぶことが挙げられます。
取引所でエラーが起きている(要問い合わせ)
送金元か送金先の取引所でエラーが起きている可能性もあります。
この場合は、サポート窓口への問い合わせが必要です。
取引所全体でのエラーであれば公式サイトやSNSなどで共有されているでしょう。



しかし、個別のエラーの場合は共有がありません。
まずは公式サイトやSNSを確認し、何も情報がなければサポートに問い合わせるようにしましょう。
海外仮想通貨取引所で出金すると税金がかかる?


海外取引所で出金をすると税金がかかるのか、要点をまとめると以下の通りです。
- 課税のタイミングは出金時でなく利益発生時
- 出金できない場合も税金はかかる
より詳しい説明については「海外仮想通貨取引所で税金はかかる?タイミングや計算方法・確定申告のルールを解説」の記事を参考にしてみてください。
課税のタイミングは出金時でなく利益発生時
海外取引所で課税されるタイミングは、出金時ではなく「利益発生時」です。
具体的には以下のような場面で課税されます。
- 利益確定の決済をした時
- 違う種類の仮想通貨に交換して利益が出た時
- ステーキングなどの報酬を受け取った時
- エアドロップ(仮想通貨のプレゼント)を受け取った時
- 仮想通貨で買い物をして利益が出た時
種類の交換については、例えばBTCとETHを交換するなら、BTCを買った時より交換時の方が価格が上がっていれば、利益が出たことになります。
ステーキング報酬やエアドロップなどは、相場に関係なく受け取った時点で必ず利益になるため、課税の対象です。



仮想通貨の買い物も、例えばBTCで決済したら、そのBTCを買った時より買い物時の方がBTC価格が上がっていた場合、利益が出たことになります。
上記の全ての利益と損失を合算し、年間で20万円以上の利益が出ていたら、確定申告と納税が必要です。
出金できない場合も税金はかかる
上記の通り、仮想通貨投資では出金に関係なく「利益が出ていれば」課税の対象となります。
そのため、何らかの原因で出金ができなくなっている場合も、利益が出ていれば税金がかかります。
利益が出ていて出金ができないケースはめったにありませんが、例えば「規約違反で凍結された」などのケースが考えられるでしょう。



利益が出た後で凍結されて出金できなくなった場合「出金できないのに税金だけかかる」ということになります。
その他のケースでは、出金が遅れることはあっても「完全にできない」ということはないため、納税に間に合わないことはないといえます。
「利益が出たのに取引所が倒産した」という場合は、税金逃れのための怪しい倒産でなければ、おそらく課税は免除されるでしょう。
海外仮想通貨取引所の出金に関連するよくある質問


海外取引所の出金に関して、多くのトレーダーから寄せられる質問は以下の通りです。
- 仮想通貨の海外送金規制とは?
- 仮想通貨で出金できなくなる原因は?
- 海外取引所のトラベルルールとは?
それぞれの質問に詳しく回答していきます。
仮想通貨で出金できなくなる原因は?
仮想通貨で「今まで出金できていたのに、出金できなくなる」という原因は、以下の通りです。
- 利用規約に違反した(疑いを含む)
- 取引所でエラーが起きている
- ブロックチェーンでエラーが起きている
- チェーンが混雑している(出金はできるが時間がかかる)
- 前回の出金以後にトラベルルールなどで規約の変化があった
また、これまでの可否に関係なく、単純に出金できない理由は「海外取引所で出金できない原因」で解説した通りです。
仮想通貨の海外送金規制とは?
仮想通貨の海外送金規制とは「トラベルルール」のことで、詳細は次の段落で解説します。
トラベルルール以外では、取引所が個別に「この取引所への送金は不可」と定めているケースも、送金規制に該当するでしょう。



例えば国内取引所から海外取引所への送金の場合、どの取引所でも「送金できる取引所、できない取引所」が存在します。
両者の違いはトラベルルールなどの法律によって決まっていることもあれば、単純に取引所の方針で決まっていることもあります。
海外取引所のトラベルルールとは?
トラベルルールとは「仮想通貨の送金時に、送る人と受け取る人の情報を対象国の政府と取引所が共有する」というルールです。
利用者としては「情報を共有されるだけ」であり、何か仕事が増えるわけではありません。
ただ、トラベルルールによって各取引所で「送金できない取引所」がやや増えています。



送金不可の取引所が増えたという点で、トラベルルールは上の段落で言及した「海外送金規制」のルールと言えるでしょう。
より詳しい説明は「仮想通貨の海外取引所のトラベルルールとは?回避方法と各社の対応一覧」の記事をご覧ください。
【まとめ】海外仮想通貨取引所の出金のやり方


今回解説してきた通り、海外取引所の出金は国内取引所経由で行うことが基本です。
P2P取引で売る方法もありますが、厳密には出金ではなく「そもそもいつ売れるかわからない」というデメリットがあります。
そのため、海外取引所の利用を始めたら、早い段階で国内取引所の口座を開設し、KYC認証を済ませておきましょう。



国内取引所との連携がしやすく、日本人の間で最も人気が高い海外取引所は、Bybitです。
Bybitは世界2位の大手であり、カスタマーサポートも含めて国内取引所と同等のレベルで、日本語に対応しています。
現在、77万5,000円の口座開設ボーナスも提供されているため、ぜひお気軽に登録してみてください。
コメント